S字で脱輪しない究極のコツ|目線とハンドルの切り方を徹底解説

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クランクよりも苦手な人が多いS字

​「クランクは通れるようになったけれど、S字になると脱輪してしまう。」「いつハンドルを回せばいいのかタイミングが掴めない。」​自動車教習所の第一段階で多くの教習生が壁を感じる「S字コース」。

曲がりくねったカーブが続くため、車幅感覚やハンドルの切り方が分からず脱輪を起こしやすい難関ポイントです。​この記事ではS字で「脱輪しないコツ」と「やりがちな減点、検定中止ポイント」を分かりやすく解説します。

指導員が使いがちな「感覚」という実態のない言葉

指導員が好きな感覚という表現、教習生が困る感覚という説明

この世界には魔法のような言葉があります。例えば物凄く反応に困る絶妙な作品を作った友人に「これどう?」と聞かれた際に「味があるね」と答えるだけで相手を傷つけない(肯定も否定もしない)絶妙な返し方ができます。

技能教習中もS字、クランクに関しては「感覚で通りましょう」というアドバイスを受けることがあるかと思いますが、これは感覚という言葉が万能すぎて便利なだけであり教習生はその感覚が何であるのかが分かりません。

これは「通り方のコツ」ではなく、漢字の修得に似た反復動作による「学習」に近いもので、数をこなすことにより慣れを促すという第三次医薬品(時間はかかるが多少改善された気がする)のようなものです。

ピアノ初心者はピアノを感覚で弾くことができません。楽譜が必要です。楽譜があることによりある程度の旋律を刻むことができるようになります。S字も同様に感覚ではなく「通り方のコツ」という楽譜が必要なのです。

感覚とは経験の延長線上にある最終形態

感覚とは同じ行動を繰り返すことにより習得できるスキルのひとつです。例えばですが、初めて自転車に乗れた日を思い出して下さい。おそらくひたすらペダルを漕ぎ続けて練習を続けた日々があるはずです。

自分の両親や親戚に助けてもらいながら「大丈夫!後ろ掴んでるから安心して走って!」という明らかなフラグを立てられながら手を離され、気づけば自力で自転車を漕げた瞬間はまさしく感動物でしょう。

自転車を漕げるようになったのはYouTubeの動画や本を読んだからではなく、ひたすら同じ動作を繰り返すことによる反復学習、すなわち経験を重ねたからです。そしていざ自転車に乗れるようになると人はこう言います。

「自転車の乗り方?感覚だよ感覚。」

つまり「感覚」とは今までの苦労や経験、自分なりの答えなどがすべてひとつの言葉に詰め込まれた必殺技のようなものなので、伝えた側も聞いた側も妙に納得してしまう魔力が秘められている魔法の言葉なのです。

S字の習得は車体感覚を掴むため

S字は公道で見かけることがほとんどありません。裏原宿(表参道から1本入った細い路地)あたりはかつて川だった名残からクネクネとしたS字を連想させますが、一般的な道路ではロスが生じる構造なのであまり見かけません。

自宅の廊下を想像してみて下さい。1本のスッキリとした通路ではなく、クネクネと曲がりくねっていたら気持ち悪いですよね。S字は裏原宿を攻略するために習得するのではなく、タイヤの位置関係を把握するために習得するものです。

例えば目の前にマヨコーンピザが落ちていたとします。タイヤの溝にコーンが挟まったら最悪ですから全力で避けると思います。でもせっかく避けたのに意図せず後輪で踏んでしまったら悲しいですよね。

こうした事態に陥らないためにも車体感覚、すなわちタイヤの位置関係を習得する練習が必要となるのです。

S字攻略の究極のコツ!この1点だけ意識して!

究極の答え!縁石ではなくコースの真ん中を見る

S字で一番重要なのは「目線」です。縁石ではなくコースの中央を見て下さい。そしてコースの中央に頭の中で架空の線を引いて下さい。運営が長い自動車教習所だとコース中央にうっすらとタイヤ痕がある場合があります。

左カーブの場合はコースの中央に左前輪を、右カーブの場合はコースの中央に右前輪を置くことだけを意識します。これだけです。

コースの中央を見る場合は直近の景色ではなくS字全体を見るようにします。こうすることでどのラインに前輪をもっていくのかを把握しやすくなります。

決して縁石を見ないで下さい。縁石を見ているとぶつかりそうな気がするので早めにハンドルを回してしまいます。そうすると内輪差の影響で後輪が脱輪してしまうのです。

それと速度は超低速を意識して下さい。アクセルは使わずクリープ現象とブレーキだけで攻略します。速度が遅くても通過できればS時はクリアになるため、速度を速めるメリットがまったくありません。

なぜ通れるのか?

すべての自動車教習所でコース幅は3.5mで設計されています。これは自動車教習所が公安委員会から指定を受けるための「物的基準」で法的に定められているからです。

そして教習車の代表格であるカローラアクシオ、グレイス、マツダ2セダンなどいずれも全幅が1,695mmなので1.7m以下。実のところ理論値だけで言えば教習車が2台並べられるほどS字内は広いのです。

運転席あるあるですが、車に乗ると道路幅が実際よりも狭く感じてしまいます。死角で見えない前方の縁石が怖くなりハンドルを必要以上に回してしまうことが脱輪のメカニズムです。

人に限らず動物は追い詰められると「闘争」か「逃走」のどちらかを選びます。縁石は戦う相手ではないため、必然的に後者の「逃走」を選びます。ですので意識をしなくてもハンドルが回ってしまうのです。

万が一脱輪してしまった場合の対処法(切り返し)

そのまま通過してしまうと中止になる

検定では縁石に乗り上げた場合、そのまま通過してしまうと一発不合格になります。検定時は極度の緊張のせいか、技能教習中は一度も脱輪しなかったのになぜか本番で脱輪してしまう事例がかなり多いです。

「とりあえず行ってみよう」と進んだ先は奈落の底なので、必ず後述の方法で切り返しを行って下さい。

【脱輪】車輪が縁石等に乗り上げ、バックせずにそのまま通過(所内中止/路上中止)

縁石に乗り上げても以下の「切り返し」を行うことで減点に抑えることは可能です。この場合、後退を行う直前に安全確認を怠ると大幅減点となるため細心の注意を払って下さい。

【切り返し】S字、クランク、方向変換、縦列駐車で切り返しをする(所内5点/路上5点)★1回目減点なし、2回目は1回目も加算して減点

【通過不能】S字、クランク、方向変換、縦列駐車で切り返しを4回行った(所内中止/路上中止)

【安全不確認】バックする直前に右後方と左後方の確認をしない(所内10点/路上10点)

そもそも縁石に乗り上げたこと自体が減点になるので、割とこのまま積み状態になることも多いです。

【脱輪】車輪が縁石等に接触した(所内5点/路上10点)

【脱輪】車輪が縁石等に乗り上げ、1.5m未満で停止(所内20点)

この縁石に乗り上げた場合のルールはS字だけではなく通常のカーブや曲がり角でも適用されるため、脱輪した場合はそのまま通過しないようにしましょう。

前輪が脱輪した場合

前輪が脱輪した場合は、脱輪した方向にハンドルを全回転してから後退します。右が脱輪したら右に、左が脱輪したら左に回すイメージです。前輪に負荷がかかって回せない場合(タイヤが縁石に引っかかっている状態)は、15cmほど後退することでハンドルを回せるようになります。

後輪が脱輪した場合

ハンドルを両手で固定したまま後退します。固定しておかないとハンドルの復元力により勝手に回ってしまい、元にいた位置に戻れなくなります。

感覚は経験のあとについてくるもの

とにかくS字のコツは目線一択です。縁石ではなくコースの幅を見る、コースの中央に前輪を置くことを意識する、これを徹底すればコースの設計上絶対に通過できます。

それでも失敗する場合は一時的に縁石を見てしまっているか、そもそも前輪の位置が把握できていないかのどちらかです。前輪の位置は外から見れば分かるため、一度車外に出て確認するのも良いでしょう。

この通り方を繰り返していればそのうち何も考えなくても通れるようになります。通れるという経験を重ねていけばそれが「感覚」として身につくからです。

お金が空から降ってこないのと同様に、感覚は最初から身につくものではありません。なんとなく走行するのとコツを知った上で走行するのとでは修得速度に差が生まれます。

S字が苦手な方は是非今回の記事を鵜呑みにして走行してみて下さい。

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