車のミラーは死角だらけ|三角定規の法則を理解するべき理由

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ミラーだけでの確認は事故への第一歩

運転席から気軽に確認しやすいため、ついミラーに頼ってしまいがちですが、実はそれだけでは不十分です。

実際に事故を起こした人のほとんどはミラーだけで確認をした気になっており、自分の目で目視確認をしていません。

「まさか人がいるとは思わなかった」「突然見えないところから自転車が飛び出してきた」「車が並走しているのに気が付かず車線変更をしてしまった」

これらはすべて「見えない」のではなく「見ていない」のです。

走行中の接触事故は死亡事故にも繋がりやすいため、より一層の注意が必要です。

​この記事では、ミラーの死角、目視の重要性と、死角が生み出す具体的な危険性を分かりやすく解説します。

車のミラーの三角定規の法則

ミラーの死角はピンポイントで左右後方

車のミラーは一般的な鏡とは異なり、近くよりも遠くを映すことに特化している構造をしています。

この見え方が三角定規状に見えるため、ミラーの死角を「三角定規の法則」と呼んでいます。

この三角定規から外れた部分は基本的にミラーからは見えません。見えない部分を補うためにも目視確認が必須となるのです。

ちょうど車の左後方、右後方がピンポイントで死角となるため、焦って車線変更をしてしまうとすぐ横を走行している車と側面衝突を起こす危険があります。

必ず目視で後方確認をしてから車線変更を行いましょう。

ミラーはあくまで補助でありメインは目視確認

基本的にミラーは「補助」でありメインは「目視」です。ミラーだけで済むのなら「安全不確認(目視忘れ)」で10点も減点したりしません。

ミラーの使い方は「事前にある程度の交通環境を確認しておく」ことであり、その最終判断は目視で行います。

ミラーだけで確認をしていると「えっ!そんなところに自転車いたの?」という場面に少なからず遭遇します。

このとき目視で確認を怠っていれば接触事故、最悪の場合は死亡事故に繋がります。

ですので車のミラーを全面的に信用してはいけません。白雪姫の鏡と同じです。

目視確認を怠ると安全運転義務違反になる

安全運転義務違反とは?

安全運転義務違反の定義は「前方や周囲の状況をしっかり見ず、ミラーの死角や不十分な確認によって事故を招いたこと」です。

【安全運転義務違反】
行政処分:違反点数2点、反則金9,000円

安全確認不足が原因で人身事故を起こした場合は、さらに過失運転致死傷罪などに問われます。

【過失運転致死傷罪】
刑事罰:7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、前科の付与(犯罪歴)

過失運転致死傷罪は殺人と同義のため、ほぼ社会復帰は難しくなります。

目視を怠って人を死傷させた場合、多くのケースで有罪判決(過失運転致死傷罪)が下されます。

目視は「任意」ではなく「義務」であることを理解する

車の運転における目視確認は、道路交通法上の「安全運転義務(第70条)」や「進路変更時の留意事項(第26条の2)」などにおいて、安全確保のために実質的な義務とされています。

前述のとおり、目視を怠って事故を起こした場合は安全確認義務違反として重い責任を問われます。

目視は「状況に応じてしたほうがいい(任意)」のではなく「しなければならない(強制)」であることを念頭に置きましょう。

「認知」をしなければその先の行動が生まれない

認知、判断、操作の基本原則

すべての人々の行動は「認知」「判断」「操作(行動)」に支配されています。言い換えれば選択の繰り返しです。

認知

「お腹が空いた」「眠たい」「雨が降っている」などの次の判断に繋げる動機。

判断

「食べようか迷う」「寝ようか迷う」「傘を持っていくか悩む」などの選択をともなう思考。

操作(行動)

「さぁ食べよう」「とりあえず起きてよう」「傘を持って行こう」などの判断の結果。

このようにお腹が空かなければ食べようとは思いません。眠くならなければ寝ようとはしません。雨が降ったと気が付かなければ傘を用意しようと思わないのです。

一般道路においても死角に隠れている自転車を発見できなければその先の「対処(判断と行動)」に行動が結びつきません。

これを実際の道路環境に置き換えてみましょう。

認知

前方にフラフラ走っている自転車がいる。

判断

そのまま通過するか避けるか考える。

操作(行動)

こちら側に倒れてくるかもしれないから避けよう。

このような流れに至った結論には、必ず原因となった動機があります。

認知は判断をするための「動機」として必要不可欠なものです。見落としがないように目視を徹底することが安全運転に繋がるのです。

視覚的死角と潜在的死角

視覚的死角は、壁の向こう側や目隠しの裏などの目には見えない「物理的な死角」のことです。

見通しの悪い交差点や上り坂の頂上付近などが視覚的死角に該当します。

一方で潜在的死角は、そもそも死角を探そうとはしない「精神的な死角」のことです。

「あそこに人はいないだろう」「いつも安全だから今回も安全だ」といったような心の状態が潜在的死角となります。

交通事故のほとんどは「ミラーで十分だから目視はしなくていいや」「見える範囲に車がいないからこのまま進んじゃえ」といったような潜在的死角に起因します。

例えば歩行者用青信号ですが、日本では信号機に従う人が多いので比較的安全に渡ることができますよね。

ですので赤信号から青信号に変わっても、左右確認もせずにスマホを見ながら渡る人も多いでしょう。

これも「青信号は安全だ、だから左右確認をしなくても大丈夫」という潜在的死角のひとつです。

しかし実際には、2025年だけでも赤信号無視だけで10,900件の事故が発生(警察庁調べ)しています。

「思い込み」「過信」が潜在的死角を構成する要素でもあるため、常に安全確認を怠らないようにする姿勢が何よりも大切です。

三角定規の法則を理解して目視を必ず行いましょう

「三角定規の法則によるミラーの死角」「自分の目で見る目視の重要性」、これらを理解することが安全運転への第一歩となります。

目視をすると一時的に前方が見えなくなるので、人によっては「怖い」と感じる人もいるでしょう。

大切なのは目視は「素早く、しっかり」と行うことであり、時間をかけて確認をすることではありません。

あまり時間をかけすぎるとそれは安全確認ではなく、ただの「よそ見」になってしまいます。

目視をする前の段階で、前を走っている車との車間距離を広げておくと、より安全に確認を行うことができます。

安全に確認ができる環境をつくることも運転技術のひとつです。悲惨な事故を起こさないよう常に周囲に気を配りながら走行して下さい。

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